2014年7月24日木曜日
高橋幸宏 with In Phase / PHASE
7/23に届いた高橋幸宏 with In Phase 『PHASE』ブルーレイを同日夜に観てたら、疲労と眠気に負けて寝落ち。朝の4時過ぎに目が覚めたら、寝落ち前とほぼ同じ部分がまたテレビ画面に流れていました(繰り返し再生)。
2013年9月23日・渋谷Bunkamuraオーチャドホールでのライブ映像がほぼ完全収録(1曲諸事情により音声無しで映像のみの曲がある)の映像作品なので、当日仕事で泣く泣く観にいくのを諦めた自分にとっては非常にありがたい作品。昨年リリースされていまだにヘビーローテションしているアルバム『LIFE ANEW』の曲が演奏されている様を目で見ることによって、またアルバム自体の愛着が増したような気も。
ブルーレイ&DVD(同内容)とライブ音源(こちらは全18曲完全収録)がコンパイルされているので、どんな環境でも観たり聴いたりしたいときにすぐに対応できるのも素晴らしい。あと60Pのスペシャルブックレットも読みごたえ・見ごたえ充分でこちらも非常に満足。
なにはともあれ、ほぼ全編にわたってドラムを叩きながら歌う幸宏氏の姿が満喫できるので満足度は高いなあ、ほんとに。
「All That We Know」は楽曲も歌詞も好きな曲だけど、MVも心底好き。もう何十回ってこのMV観てるね。
2014年7月23日水曜日
石田ショーキチ with PLASTIC GIRL IN CLOSET / LIFE IS SPIRAL & ANOTHER DAY,ANOTHER NIGHT
7/18に盛岡で行われたPLASTIC GIRL IN CLOSETと石田ショーキチ氏のライブ動画がYoutubeにupされてますね。
しかもSpiral Lifeの"LIFE IS SPIRAL"と"ANOTHER DAY,ANOTHER NIGHT"のカバー。緊張感とリラックス感の入り交じった雰囲気が伝わってきて、たまらないです。よだれが出てきそうです。
そんなPLASTIC GIRL IN CLOSETが出演する7/27(日)のTotal Feedbackと連動して行き来自由なDJイベントSunday Monday、こちらもぜひぜひ遊びにきてください。ぜひぜひ(しつこい)。
http://akeshin.blogspot.jp/2014/07/sunday-monday-vol28.html
https://note.mu/sundaymonday/n/n3fc24fe25e91
2014年7月22日火曜日
Sunday Monday Vol.28
今度の日曜は月に一度のお楽しみSunday Monday!!
先月のSunday Mondayの様子 |
今月のSunday MondayはHoneydewのゲストライブ有り! さらにはCactus Flowerのクロゴメ氏のゲストDJも! 更にいうなれば、ume-rock&アケシンのDJタイムも(当たり前か)。
そして同時開催で行き来自由の高円寺HIGH"Total Feedback"ではプラガ&アルバンのOnly Feedback組に加えて、The Terminal Stageや7eyes 40days、amenotoのライブと充実のラインアップです。
また、自分がお手伝いさせていただいているムクドリの会フリーペーパー2号の配布も行いますのでこちらも興味ある方、ぜひぜひお声がけお願いします(ムクドリの会や、そのフリーペーパーとは何ぞや?という方はこちらをご確認下さいね→https://www.facebook.com/b.flower.LD)。
月末の日曜日の夕方、フジロックにも遊びにいかず、まだご予定の決まっていない方いらっしゃいましたら、ぜひぜひ遊びにきて下さいね。
それとSunday Monday情報は随時下記リンク先に更新されてますので、チェックお願いします。
https://note.mu/sundaymonday
***************************
7/27(SUN) Sunday Monday
高円寺amp cafe
OPEN/CLOSE 18:00~22:00
ADV/DOOR ¥2,000/¥2,500(+ドリンク代500円)
*高円寺HIGHで開催されるTotal Feedbackへの往来自由です
【DJ】
ume-rock(beepluck,ex club bagsy)
アケシン(beepluck,Friends of b-flower+Livingstone Daisy)
【Guest DJ】
Kurogome(Cactus Flower,ex Mika Flakes )
【Guest Live】
Honeydew
同時開催
"Total Feedback"@高円寺High
OPEN/START18:00/18:30
【LIVE】
PLASTIC GIRL IN CLOSET
Al Van She's Coming
The Terminal Stage
amenoto
7eyes 40days
2014年7月20日日曜日
For Tracy Hyde / In Fear Of Love
多分ここ2年ぐらいの間で、自分がDJする時にこのバンドの曲を回すことがかなり多かったんだけど(リメイク前の「First Regrets」とか「Halation」とか「Another Sunny Daze」とか)、ラブリーサマーちゃん加入後の「In Fear Of Love」に関してはフリーCDを狙いすまして店舗に取りに行ってもことごとく空振りしてゲットできてなかったんで、今回めでたくフリー・ダウンロード配信でようやく4曲通して聴くことができて、ほんと嬉しいかぎりです。
とりあえず管くんの前身ユニットの時から彼の活動はチェックしてて、「普通だったらそのアイデアでアルバム一枚いけちゃうじゃん」ってところを4〜6曲程度でまとめてサクッと(フリーで)配信して「はい、次はこれ」っていうスピード感がたまらなくて。で、ころころ(ジャンル的に)変わる楽曲に乗せる歌詞も作り手の"人となり"がきちんと見えてて最近のバンドの中ではかなり面白くて。
で、今回の「In Fear Of Love」。
個人的には管くんの声がけっこう(かなり)好きなので(自分の中では現Sugiurumnの杉浦君直系って感じ)、ラブリーサマーちゃん加入は功罪あるっちゃーあるわけですが、今回バンド自体かなり注目度が上がってるわけだから、まあいいことなのよねーと納得はしてる次第です。はい。
と、書くとラブリーサマーちゃんがニガテみたいに受け取られてしまうとアレなので、この場を借りて告白しておきますとラブリーサマーちゃんは大好きです。はい。
追記
下記リンク先の方がきちんと彼らについて書いてますので、そちらをチェックした方がもっとよく彼らについてわかると思います。
http://www.belongmedia1965.com/2014/06/18/review-for-tracy-hyde-in-fear-of-love/
http://spincoaster.com/for-tracy-hyde-first-regrets/
http://ystmokzk.blog.fc2.com/blog-entry-39.html
http://ameblo.jp/white-no13/entry-11873951380.html
http://ki-ft.com/music/fortracyhyde-infearofloveep/
とりあえず管くんの前身ユニットの時から彼の活動はチェックしてて、「普通だったらそのアイデアでアルバム一枚いけちゃうじゃん」ってところを4〜6曲程度でまとめてサクッと(フリーで)配信して「はい、次はこれ」っていうスピード感がたまらなくて。で、ころころ(ジャンル的に)変わる楽曲に乗せる歌詞も作り手の"人となり"がきちんと見えてて最近のバンドの中ではかなり面白くて。
で、今回の「In Fear Of Love」。
個人的には管くんの声がけっこう(かなり)好きなので(自分の中では現Sugiurumnの杉浦君直系って感じ)、ラブリーサマーちゃん加入は功罪あるっちゃーあるわけですが、今回バンド自体かなり注目度が上がってるわけだから、まあいいことなのよねーと納得はしてる次第です。はい。
と、書くとラブリーサマーちゃんがニガテみたいに受け取られてしまうとアレなので、この場を借りて告白しておきますとラブリーサマーちゃんは大好きです。はい。
追記
下記リンク先の方がきちんと彼らについて書いてますので、そちらをチェックした方がもっとよく彼らについてわかると思います。
http://www.belongmedia1965.com/2014/06/18/review-for-tracy-hyde-in-fear-of-love/
http://spincoaster.com/for-tracy-hyde-first-regrets/
http://ystmokzk.blog.fc2.com/blog-entry-39.html
http://ameblo.jp/white-no13/entry-11873951380.html
http://ki-ft.com/music/fortracyhyde-infearofloveep/
2014年7月8日火曜日
岡村靖幸 w 小出祐介 / 愛はおしゃれじゃない
今年4月にBase Ball Bearの小出祐介×久保ミツロウとのコラボ作としてリリースされた岡村靖幸w小出祐介の「愛はおしゃれじゃない」。
いい大人がちょっともてない青春期真っ最中な歌詞を書いて、さらにいい大人がその曲を汗を飛ばしながら超オンリーワンな振り付けと共に歌っていて、しかもそれがかなり泣けちゃうぐらいにドポップすぎていい仕事すぎて、そしてその曲を相も変わらず聴き飽きずにリピートし続けてる自分もこれまた結構いい大人です(年齢的に)。
で、この曲聴いた後、続けてThe Blow Monkeysの「Digging Your Scene」を聴きたくなってしまういい大人は自分だけなのか。同じようないい大人はいないのかが気になるこの頃です。
2014年7月5日土曜日
LIFE TIME,HAPPY TIME
昨晩ダウンロードしたウルリッヒ・シュナウスのMixを聴きながら出社。氏に関しては特に好きでも嫌いでもないのですが、YMOや高橋幸宏氏・細野氏や教授などの楽曲メインのMixなのでストレスなくおだやかな気持ちで心地よく耳にすることができます。無料ダウンロード配信中なので気になる方はどうぞ。
http://amass.jp/42269
仕事から帰宅後、アマゾンでオーダーしていた高橋幸宏氏のブルーレイ「One Fine Night〜60th Anniversary Live〜」が届いていたので観る。このブルーレイは去年6月にリリースされていてすぐにでも欲しかったのだけれど、¥10,500という価格がネックで保留にしていた作品。それがアマゾンで新品がほぼ半額になっていたのでこの価格なら何もいうことない。ブルーレイ2枚+CD3枚+凝りに凝ったブックレット、どれも最高です。値引率を考えるとDVDやブルーレイはどうしてもレコード屋じゃなくてアマゾンで買う機会が増えてしまうのは少し残念なことではあるけれど。
そもそもがこのブルーレイ収録の2012年12月22日一夜限りの幸宏氏60歳記念ライブは観にいきたくてしかたなかったんだけれど、どうしても観にいけない日だったんだよね。なぜかというと、自分が参加していたDJイベント「beepluck」ファイナルの日だったから。その日を振り返ってみると、あの時からまだそんなに時が経っていないような気もするし、随分と時が経ったような気もするしで、アンビバレンツな感覚に陥ってしまったりします。でも、beepluck、トータルで145回ぐらい開催したイベントだったから長く続いたよね、ほんと。
で、明日は今年4月末に音声ニューリマスターで初のDVD化された幸宏氏「A FRAGMENT」を買ったばかりなので観る予定。そして、昨年リリースしたアルバム「LIFE ANEW」後のIn Fhaseとのライブを収録した「PHASE」ブルーレイも注文済で7/23に届くはずだから、当面幸宏三昧の日々が続きそうです。
あ、あと今年頭に実際に観にいったCorneliusやTOWA TEI・砂原良徳などとの競演が話題になった「TECHNO RECITAL」のライブアルバムも今月に出るね。
さすがに財布の中身がちょっとツラインダ。
2014年7月2日水曜日
八野英史 / 僕は僕の子供達を戦争へは行かせない
ここのところ、夜明け前の3時30分ごろに目が覚める日が続いている。
起きているのだか、眠っているのだかもなんだかよく判らない状態で、iPhoneを手にとり、ツイッターのタイムライン上に上がっていたリンク先をクリックして、とある曲を聴く。
その時点では無記名のため、誰の曲で誰がうたっているのかも不明確なその曲には「僕は僕の子供達を戦争へは行かせない」というタイトルがついていた。この曲を公開しているアカウントと、その曲をうたっている声から、その主が誰であるかは想像はついたのだけれど、強いイメージを想起させる言葉が羅列された中でのメッセージ性とそのスピード感にまずは言葉も出ず、何度かくりかえしくりかえし聴き直してみた。
「僕は僕の子供達を戦争へは行かせない」
僕は僕の子供達を戦争へは行かせない
人を殺していいと教えられるわけがない
僕は僕の子供達を戦争へは送らない
風邪をひきましたとズル休みをさせる
わたしはわたしの子供達を戦争へは行かせない
女を犯しなさいと焚きつけたりはしない
わたしはわたしの子供達を戦争には捕られない
足を挫きましたと見学をさせる
くだらない世の中だ
くだらない世の中だ
くだらない世の中だ
間違っている
総理大臣よりも大統領よりも国家主席よりも 僕を信じて
法律よりも宗教よりも お願い子供たちよ わたしを信じて
僕らは子供達を戦争へは行かせない
殺られる前に殺れとは口が裂けてもいわない
僕らは子供達を戦争へは送らない
そんな子はいませんと背番号を外す
(作詞・作曲・歌 八野英史〈b-flower / Livingstone Daisy〉)
最初にふと想起したのは、曽我部恵一のソロデビューシングル「ギター」のこと、だった。
この曲はたしか、当時、曲ができ上がってからメジャーでリリースする際の時間のかかり具合に業を煮やしていた曽我部が、小西康陽の主宰レーベルインターナショナル・レディメイドから即時的にリリースしたものであったと記憶している。そして、その曲でうたわれていたのは2001年に発生した"あの事件"後の"戦争"に対する彼の想いやアプローチについて、であった。まだ"その事件"の後遺症が消えない中で届けられたその"うた"は、もともとの曲の良さなどを飛び抜けた生々しさをもって自分の耳と心に響いてきた。
そして、今回の「僕は僕の子供達を戦争へは行かせない」。この曲にも同じような印象を覚えた。しかも、曽我部恵一の「ギター」の時以上の強烈なインパクトでもって。
その音源は、わずか一時間ほどで書き上げられたメモ段階の曲をポータブルレコーダーに録ったままの状態のもの。そんなレアな状態のまま、YouTubeというメディアによって即時性を携えて届けられたこの曲を聴いて、その生々しいメッセージ性と同時にこの曲を綴ったアーティストの才能の確かさに僕はあらためて感服した(うたわれている内容や表現の仕方に関しては受け取り方はいろいろあってよいと思います)。
時間をおいてあらためて、そのアーティストのツイッターやブログ上でこの曲について紹介された際には「昨夜作った曲です。ポータブルレコーダー録音なので音は悪いですが、みなさん聴いてみてください」という簡素なメッセージとともに"八野英史"と名前が添えられていた。そう、80年代後期から90年代前期にかけて活動し、その後長期にわたる活動停止期間を経て、2012年5月に配信シングル「つまらない大人になってしまった」で復活したb-flowerのフロントマンの八野英史であり、2010年にLivingstone Daisyというユニット名で細海魚・岡部亘と活動を始めた八野英史である。
b-flowerといえば、一般的には(いや一般的には知られていないのか...)まるで英米文学のようなナイーヴで美しい歌詞と80年代英ネオアコースティックサウンドが噛み合わさったバンドとして語られることが多いけれども、同時にそんな繊細さと相反するような現実的で時に過激な表現も持ち合わせていたバンドでもある。
争うことが大好きな僕ら 滅びるまで自分の影にいつも怯え そして僕らは 利口な僕らは 毎日宿題を忘れ続ける(サトウカエデの下で)
love and peace? あぁとても素敵だよ change the world? 薄っぺらなオプティミズム save the earth? へえすごく正しいね save the whale? くだらないヒロイズム 死ぬまで僕ら生きていよう どうかな そういうのは(Love & Peace?)
切れそうなら 切れちゃえ 血を流せ 死ぬことなんて べつに怖くないわ Yeah! 喜びもときめきもないけど Yeah! あなた以外はバカばっかなの Yeah! 怒りとかどっかふっとんじゃうよな 止まらないHigh Love Me もっともっと ボリス・ヴィアンほど強くないけど 醜いもの皆 消え失せてよ(Yeah!)
肋の浮いた 痩せた少年だった日は遠く 月曜日の次に いつも決まって火曜日が来る 掲げていたシャングリラには 僕はきっともう届かないんだろう なんでこんなつまらない大人になってしまったんだ(つまらない大人になってしまった)
先日、ムクドリの会のDJ&アコースティックライブイベントに遊びにきてくれた八野さんが、打ち上げ時に、今、セルフカバーできる対象の曲とそうでない曲について話をしてくれていたのを聞いて、もしかしたら今後は今の自身の年齢を踏まえたいい意味での侘び寂び感や叙情感と美しさのある楽曲がソングライティングの中心になるのかな、とも感じていたのだけれど、この度のメモ曲を耳にして、やはり怒れる八野さんは消えていなかったのだな、と個人的にはものすごく嬉しい感情を覚えた。まるで錆びていないナイフのような、言葉の切れ味の鋭さったら、なかなか出会えるものではないよ。
b-flowerにしてもその他のユニット活動にしても、八野さんの発する音楽は、物事の本質や主流に対しての妥協なき視点やアプローチの取り方、ある種の安易な共感を排除した透徹した世界観が故に、孤高の道を進まざるを得なかった感はあれど、その表現の豊かさ・確かさはもっともっと周知されていいと思う。特に音楽好きの人にはね。
今後の八野さんの音楽活動に期待しています。あらためて。
起きているのだか、眠っているのだかもなんだかよく判らない状態で、iPhoneを手にとり、ツイッターのタイムライン上に上がっていたリンク先をクリックして、とある曲を聴く。
その時点では無記名のため、誰の曲で誰がうたっているのかも不明確なその曲には「僕は僕の子供達を戦争へは行かせない」というタイトルがついていた。この曲を公開しているアカウントと、その曲をうたっている声から、その主が誰であるかは想像はついたのだけれど、強いイメージを想起させる言葉が羅列された中でのメッセージ性とそのスピード感にまずは言葉も出ず、何度かくりかえしくりかえし聴き直してみた。
「僕は僕の子供達を戦争へは行かせない」
僕は僕の子供達を戦争へは行かせない
人を殺していいと教えられるわけがない
僕は僕の子供達を戦争へは送らない
風邪をひきましたとズル休みをさせる
わたしはわたしの子供達を戦争へは行かせない
女を犯しなさいと焚きつけたりはしない
わたしはわたしの子供達を戦争には捕られない
足を挫きましたと見学をさせる
くだらない世の中だ
くだらない世の中だ
くだらない世の中だ
間違っている
総理大臣よりも大統領よりも国家主席よりも 僕を信じて
法律よりも宗教よりも お願い子供たちよ わたしを信じて
僕らは子供達を戦争へは行かせない
殺られる前に殺れとは口が裂けてもいわない
僕らは子供達を戦争へは送らない
そんな子はいませんと背番号を外す
(作詞・作曲・歌 八野英史〈b-flower / Livingstone Daisy〉)
最初にふと想起したのは、曽我部恵一のソロデビューシングル「ギター」のこと、だった。
この曲はたしか、当時、曲ができ上がってからメジャーでリリースする際の時間のかかり具合に業を煮やしていた曽我部が、小西康陽の主宰レーベルインターナショナル・レディメイドから即時的にリリースしたものであったと記憶している。そして、その曲でうたわれていたのは2001年に発生した"あの事件"後の"戦争"に対する彼の想いやアプローチについて、であった。まだ"その事件"の後遺症が消えない中で届けられたその"うた"は、もともとの曲の良さなどを飛び抜けた生々しさをもって自分の耳と心に響いてきた。
そして、今回の「僕は僕の子供達を戦争へは行かせない」。この曲にも同じような印象を覚えた。しかも、曽我部恵一の「ギター」の時以上の強烈なインパクトでもって。
その音源は、わずか一時間ほどで書き上げられたメモ段階の曲をポータブルレコーダーに録ったままの状態のもの。そんなレアな状態のまま、YouTubeというメディアによって即時性を携えて届けられたこの曲を聴いて、その生々しいメッセージ性と同時にこの曲を綴ったアーティストの才能の確かさに僕はあらためて感服した(うたわれている内容や表現の仕方に関しては受け取り方はいろいろあってよいと思います)。
時間をおいてあらためて、そのアーティストのツイッターやブログ上でこの曲について紹介された際には「昨夜作った曲です。ポータブルレコーダー録音なので音は悪いですが、みなさん聴いてみてください」という簡素なメッセージとともに"八野英史"と名前が添えられていた。そう、80年代後期から90年代前期にかけて活動し、その後長期にわたる活動停止期間を経て、2012年5月に配信シングル「つまらない大人になってしまった」で復活したb-flowerのフロントマンの八野英史であり、2010年にLivingstone Daisyというユニット名で細海魚・岡部亘と活動を始めた八野英史である。
b-flowerといえば、一般的には(いや一般的には知られていないのか...)まるで英米文学のようなナイーヴで美しい歌詞と80年代英ネオアコースティックサウンドが噛み合わさったバンドとして語られることが多いけれども、同時にそんな繊細さと相反するような現実的で時に過激な表現も持ち合わせていたバンドでもある。
争うことが大好きな僕ら 滅びるまで自分の影にいつも怯え そして僕らは 利口な僕らは 毎日宿題を忘れ続ける(サトウカエデの下で)
love and peace? あぁとても素敵だよ change the world? 薄っぺらなオプティミズム save the earth? へえすごく正しいね save the whale? くだらないヒロイズム 死ぬまで僕ら生きていよう どうかな そういうのは(Love & Peace?)
切れそうなら 切れちゃえ 血を流せ 死ぬことなんて べつに怖くないわ Yeah! 喜びもときめきもないけど Yeah! あなた以外はバカばっかなの Yeah! 怒りとかどっかふっとんじゃうよな 止まらないHigh Love Me もっともっと ボリス・ヴィアンほど強くないけど 醜いもの皆 消え失せてよ(Yeah!)
肋の浮いた 痩せた少年だった日は遠く 月曜日の次に いつも決まって火曜日が来る 掲げていたシャングリラには 僕はきっともう届かないんだろう なんでこんなつまらない大人になってしまったんだ(つまらない大人になってしまった)
先日、ムクドリの会のDJ&アコースティックライブイベントに遊びにきてくれた八野さんが、打ち上げ時に、今、セルフカバーできる対象の曲とそうでない曲について話をしてくれていたのを聞いて、もしかしたら今後は今の自身の年齢を踏まえたいい意味での侘び寂び感や叙情感と美しさのある楽曲がソングライティングの中心になるのかな、とも感じていたのだけれど、この度のメモ曲を耳にして、やはり怒れる八野さんは消えていなかったのだな、と個人的にはものすごく嬉しい感情を覚えた。まるで錆びていないナイフのような、言葉の切れ味の鋭さったら、なかなか出会えるものではないよ。
b-flowerにしてもその他のユニット活動にしても、八野さんの発する音楽は、物事の本質や主流に対しての妥協なき視点やアプローチの取り方、ある種の安易な共感を排除した透徹した世界観が故に、孤高の道を進まざるを得なかった感はあれど、その表現の豊かさ・確かさはもっともっと周知されていいと思う。特に音楽好きの人にはね。
今後の八野さんの音楽活動に期待しています。あらためて。
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