2014年6月9日月曜日

細海魚 / とこしえ


仕事に行く日も、休みの日も、だいたい朝は4時前後に起きている。

いまの季節、朝の4時というと自然の多い場所であればちょうど鳥たちの鳴き声が響き始める時間である。そして暗闇に支配されていた空は、しだいに薄明るくその色を変えていくころ。分単位でその色合いが変わっていくのをぼうっとみていると、時間が経つのを忘れてしまいそうになるときがある。

そんな時間にほどよく聴ける音楽というのは意外と限られている。寝起きすぐにアップテンポの曲を聴くというのも逆に疲れてしまうときがあるし、かといって、静かすぎる音楽というのもこれから始まる一日を気だるいものにしてしまう場合がある。

最近はといえば、昨年の秋にリリースされた細海魚さんのソロアルバム「とこしえ」をあらためて聴きなおしているときが多い。

このアルバムは、とてもいい。「音楽」としては豊潤なものでありながらまったく厚かましさのない音像も、丁寧に爪弾かれるアコースティックギターの響きも、時折フューチャリングされる女性のつつましくもあたたかな声もいい。そして絶妙な間の中で活かされるメロディのなんと優しいことよ。このアルバムを通して聴くことで、細海魚というアーティストがいかに音を愛していて、そして音楽が好きでしかたないその「様」を感じることができると、思う。

個人的にはロディ・フレイムやベン・ワットの新作あたりが自分にとってのこのゴールデンタイムのヘビーローテーションになっても良さそうなのだけれど、なかなかどうして、この静かなる名盤はその座をたやすくは明け渡しはしないのです。そもそもアルバムタイトル「とこしえ(永久・永え・常しえ)」だものね。

ここからは余談。 

あと数日でそんな細海魚さんの「とこしえ」、それに彼が加わっているLivingstone Daisyというバンドのアルバムについて特集されているフリーペーパーが配布されます(自分も作成のお手伝いをさせていただいてます)。

この冊子の中で、Livingstone Daisyのリリースから一年経ったアルバム「33Minutes before the light」というタイトルにちなんでメンバーに33の質問を投げかけているのだけれど、メンバーそれぞれの回答にカラーがきちんと出ていて、読んでみると面白いと思います。特に、細海魚、というアーティストは表になかなか出てこない方だから、これだけ彼が発したコメントが読めるという点においても重要なテキストなんじゃないかな。 

このフリーペーパー詳細については下記をご参照下さい。
http://akeshin.blogspot.jp/2014/06/2.html
https://www.facebook.com/b.flower.LD



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